セラピストが自分のスキルを活かす|キャリアチェンジ前の自己整理
横道キャリアという言葉を知っても、「自分にそんな可能性があるのだろうか」と感じる人は少なくありません。
でも実は、横道キャリアは“新しい何かを足す”ことではありません。
これまで専門職としてやってきたことを、少し違う角度から見てみる。
意外にも日常の経験に可能性はあると思っています。
故に、実は土台を読者の方は、もう持っています。
強みを探さなくていい
自己整理と聞くと、「自分の強みを見つけなければ」と身構えてしまう人もいるかもしれません。
でも、強みという言葉は少し重たい。
今回見るのは、特別な才能ではなく、日々、当たり前のようにやっていることです。
横道キャリアは、そこから生まれます。
視点をずらすということ
横道キャリアにつなげるポイントは、まず見ている視点をずらすことです。
たとえば、
・人を診ている → 人の動作・行動を見ている
・身体を評価している → 生活の困りごとを整理している
・訓練している → できるようになる過程を把握し支えている
こうして言い換えてみると、皆さんがしていることは、
臨床という枠だけのものではないと気づけるかと思います。
「自分はセラピストだ」ではなく、
「自分は〇〇をしている人だ」
そんなふうに、言葉を少しずらしてみる。
それが横道キャリアの入口です。
シンプルな自己整理のやり方
難しいワークは不要です。
① 最近の1日を思い出す
② していることを動詞で書き出す
③ それを別の言葉で言い換えてみる
④ その横に、小さく気持ちを書く
例)
観察する → 行動を見る → 嫌いじゃない
説明する → わかりやすく伝える → わりと得意
調整する → 間をつなぐ → 意外と苦ではない
これだけで十分です。
(私の場合は、患者さんや上司・部下の些細な変化に対して「気づく力」に得意がありました。恥ずかしい話、専門的な動作観察・分析が得意いうわけではなく•••相手が何を感じ何を考えているのか。そういう部分に気づき先立ってアプローチしたり事後の対応を適切に行うという経験が今につながっています。)
まとめ|まずは眺めてみる
横道キャリアは、今の仕事を否定するものではありません。
専門職として積み重ねてきたことを、少し違う角度から見てみる。
まずは、「自分は日々、何をしているか」をやさしく眺めてみてください。
自分のスキルを整理することは、転職の準備であると同時に、今の職場での動き方を見直すヒントにもなります。どちらに転んでも、損にはなりません。
小さな気づきが、大きな変化の入り口になることがあります。
■ 整理したその先に
整理が終わったら、その言葉をどこかへ発してみてください。職場の信頼できる先輩に話してみるとか、気になる情報を探すとき「自分のこれ」に繋がるキーワードとして使ってみるとか。副業を考えるなら、その言葉がそのまま検索ワードになることもある。
実は、この小さな「探索」が、横道を歩む第一歩になることが多いんです。
たとえば、PTなら「患者教育」「地域啓発」という言葉に置き換えたら、ブログやSNS発信につながるかもしれません。OTなら「生活支援」「就労支援」というスキルは、福祉業界でも企業の健康管理部門でも求められている。STなら「コミュニケーション支援」は、教育現場や企業研修でも必要とされています。
整理した言葉は、意外といろんな形で生きる。そこに気づくだけでいい。
リハ職のスキルは、思っているより「つぶしが利く」ものです。たとえば、回復期で培った家族との関係調整は、介護相談員や生活相談員の仕事にも通じています。評価や計画立案の力は、企業の健康推進担当でも必要とされます。現場を離れることへの不安より、「自分が持っているものが他の場所でも役立つかもしれない」という視点で眺めてみると、横道がぐっと近くなります。
焦らなくていい。完璧に整理できなくてもいい。「あ、自分ってこういうこと好きなんだ」とか「この関わり方、意外と楽しいな」という小さな気づきで十分です。その積み重ねが、いつか「横道へのドア」になるから。
■ たこすの現場経験から
私が介護支援専門員の資格を取ったのは、理学療法士として15年ほど経験を積んだ後のことでした。当時は「もう一つ武器を持ちたい」という気持ちと、「自分のスキルが現場以外でも活かせるのか確認したい」という気持ちが半々でした。
資格を取ってみて気づいたのは、PTとして培ってきた評価力・コミュニケーション力・生活視点が、ケアマネジメントの現場でも直接的に役立つということでした。全く別のスキルが必要なのではなく、これまでの積み上げが形を変えて活きるのだと実感しました。
スキルを活かしたキャリアチェンジは「今までのことを捨てる」ことではありません。「今まで積んできたものを、別の文脈で活かす」と考えると、動きやすくなります。あなたのスキルが活きる場所は、今いる現場の外にも必ずあります。