昇進か現状維持かという二択の外に、もうひとつの道がある。
前の記事ではそんな「横道キャリア」という考え方を整理しました。

この記事では一歩踏み込んで、実際にどんな横道があるのか、そして自分に合った横道をどう見つけるかに絞って掘り下げていきます。

横道キャリアは「型」にできない

まず初めにお伝えしたいことは横道キャリアには、「この形が正解」という型はありません。

転職か、残留か。
臨床か、非臨床か。

そういった二択では整理できないのが、横道キャリアです。

共通しているのは、セラピストとして培った視点や経験を、別の形で使っているという点だけ。

可能性としての実例

たとえば、こんな人たちがいます。

・セラピスト視点を持ちながら、組織運営・管理に関わっている人
・行政関連機関で、健康体操や介護予防事業の普及に関わっている人
・セラピスト経験を踏まえて、家具メーカーで家具開発に関わっている人

これらは「特別な成功例」というより、現場で積み重ねてきた経験を違う場所で使っているだけです。最近は、様々な分野において事業を行っている方も増えてきた様に思います。

ちなみに、私自身も、もともとは臨床の経験に加え役職についていた経緯から、マネジメントを中心とした俯瞰的に現場を捉える横道キャリアに進みました。

横道キャリアを考えるときの視点

横道キャリアを考えるときは、
職種名よりも、
「自分は日々、何をしているか」を見るほうが役に立ちます。

人の動きを観察する。
生活背景を想像する。
説明する、伝える、調整する。

こうした日常的な行為は、臨床の外でも使えます。セラピストあるあるのついしてしまう人間観察・動作分析が横道キャリアのきっかけになる事もあるかもしれません。

向いているかどうかを考える前に、「すでにやっていること」に目を向けてみる。

それだけでも、選択肢の見え方は変わります。

まとめ|まずは知るところから

横道キャリアは、誰もが選ぶべき正解ではありません。

臨床を続けたい人が臨床を続けるのも、もちろんひとつの大切なキャリアです。

ただ、横にずれる道もあると知っているかどうか。
その違いがあるだけです。

まずは、日々の仕事の延長線上に、少し気になることや、やってみたいことがないか。

そんな視点で眺めてみてください。

ちなみに、「横道に気づけるかどうか」は、日常業務のなかでの小さなアンテナにかかっています。

たとえば、新人スタッフの相談に乗るのが苦にならない。記録や書類整理が意外と好き。患者さんとの会話から家族支援に関心が向く。そういった「ちょっとした反応」が、横道のヒントになっていることがあります。

大きな決断の前に、こういった日々の反応を拾い集めてみる。それだけで、自分の向きたい方向が少しずつ見えてきます。

「横道があると知っていること」と「知らないこと」では、同じ職場にいても将来の見え方が変わってきます。選ばなくてもいい。ただ、知っておくだけで十分です。選択肢を持っていると、気持ちに少し余白が生まれます。

次回は、自分の経験や強みをどう整理していくかについて書いてみようと思います。

横道に踏み出すとき、勇気より先に「情報」が必要です。まずは知ること。知ってから、自分がどう感じるかを確かめてみてください。

■ たこすの現場経験から

さまざまなセラピストと関わる中で気づいたのは、「どこで働くか」以上に「何をしたいか」が明確な人が、結果的にどんな職場でも力を発揮しているということです。選択肢を知っている人は、迷いが少なく、決断が早い。それが積み重なって、キャリアの差になっていきます。

選択肢は知ることで初めて選べるようになります。「昇進以外にも道がある」という事実を知っているだけで、日々の仕事の意味が変わることがあります。今のキャリアに納得しているなら問題ありません。でも少しでも違和感があるなら、まず選択肢を広げて見るところから始めてみてください。

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ABOUT ME
たこす
理学療法士・介護支援専門員。総合病院を起点に、デイサービス・訪問リハ・回復期・施設運営・エリアマネジメントと、約20年にわたりリハ職としてのキャリアを積んできました。 専門領域での偏りに悩んだ20代、役割が急に増えた30代、そして40代を迎える今も "働き方を磨き続けること" をテーマに日々試行錯誤中。 現場だけでなく、新人育成・職場の役職・施設管理者・エリアマネジメントなど "横のキャリア" にも触れてきたことで、一般的なセラピストの道とは少し違う視点を持つようになりました。 だからこそ今、キャリアに迷うあなたにとって「少し先を歩く人」として、気づきを届けられることがあると感じています。