訪問リハを経て回復期を選んだ理由|在宅で気づいた回復期の本質
訪問リハとして働いていたころ、「なぜ回復期に転職するのか」とよく聞かれました。訪問リハも好きな仕事でしたし、患者さんの生活に近い場所で関われることにやりがいも感じていました。それでも回復期を選んだのには、訪問リハの現場で積み重ねてきた経験が大きく影響しています。この記事では、その経緯を正直にお伝えしたいと思います。
訪問リハを選んだのも、理由があった
もともと訪問リハを選んだきっかけは、総合病院で働いていたころに遡ります。
退院されていった患者さんが、しばらくして再び入院してくることがありました。転倒して骨折された方、体調が悪化して再入院された方。「在宅での生活がうまくいかなかった」という背景が見えるケースも少なくありませんでした。そういった方を見るたびに、退院後の生活に何かかかわれることはないだろうかと思うようになりました。
在宅でのリハビリに興味が出てきたのはそのころからです。病院の中で患者さんを支えることも大切ですが、退院後の生活にも何らかの形で関わりたいという気持ちが少しずつ大きくなっていき、訪問リハビリへの転職につながりました。
訪問リハで見えてきたこと
実際に訪問リハで働いてみると、患者さんの実際の生活を直接見ることができました。段差や廊下の広さ、家族の関わり方、生活の習慣——病院のリハ室とはまったく違う環境の中で、その方らしい生活を支える仕事でした。
ただ、訪問の現場で働くなかで、気になることが増えてきました。在宅で再び体調を崩される方、転倒を繰り返してしまう方。状況を整理していくと、退院後の生活の安定には、退院前の時期にどれだけ丁寧にリハビリができたかが大きく影響しているのではないかと感じるようになりました。
訪問リハは週1〜2回が基本です。生活の場で寄り添えるという意味では大切な役割ですが、発症や手術後の早い時期に集中して関わることができるのは、回復期という環境だからこそだと気づきました。そしてその時期の関わりが、在宅生活の質に直結していることを、訪問の現場で肌感覚として持てるようになっていました。
訪問リハで積んだ経験は、「在宅での生活がうまくいくかどうかは、回復期の段階での関わり方にかかっている部分が大きい」という実感を与えてくれました。そのことが、次の転職を考えるきっかけになっていきました。
回復期への転職を決めた理由
こうした経験を積み重ねるなかで、自分は回復期の現場でリハビリに関わりたいという気持ちが強くなっていきました。
給与については、訪問リハと回復期で大きな差はありませんでした。転職の主な動機は待遇面ではなく、回復期という現場でより深い知識と経験を積みたいという気持ちからです。訪問リハで見えてきた課題に対して、自分なりに向き合ってみたいと思っていました。
訪問リハを経験したことで、回復期リハの意味を自分の言葉として持てるようになっていました。実際に在宅での生活を見てきたからこそ、回復期での関わり方の重要性をより深く考えられるようになったと感じています。「なぜ回復期なのか」を、体験をもとに語れるようになったことが、転職への後押しになったと思っています。異なる職場を経験することは遠回りに見えることもありますが、それぞれの現場で得た視点が、次の職場での向き合い方を豊かにしてくれると感じています。
■ たこすの現場経験から
総合病院で働いていたころ、退院されてしばらくしてから再入院される方を何度か担当しました。退院時には「これで大丈夫」と思っていても、在宅に戻ってから生活がうまく続かないケースがあることを知りました。そのたびに、自分が退院後の生活に関われることはなかったのだろうかと考えていました。退院後の在宅生活への関心が高まっていくなかで、訪問リハへの転職を決めました。
訪問リハの職場では、退院後の生活のリアルを見ることができました。そのなかで、回復期でのリハビリの質が在宅生活に大きく影響することを、より具体的に実感しました。自分が回復期の職場に移りたいと思うようになったのは、そうした積み重ねがあったからだと思っています。
キャリアの選択に正解はありませんが、どの職場にいるときも「なぜここにいるのか」を自分なりに持っていることが大切だと感じています。転職というと待遇や条件に目が向きがちですが、何を得たいのかという動機がはっきりしていると、転職後の職場での向き合い方も変わってきます。これからキャリアの選択に悩んでいるリハ職の方に、この経験が少しでも参考になれば嬉しいです。どの職場を選ぶかよりも、なぜその職場を選ぶかを大切にしながら、自分なりの答えを見つけてほしいと思っています。
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